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其の参. 推しが【日本舞踊】の番組を作りました。~水仙丹前ってなんだ!?②~

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本業の会社員と、推し活と命を懸けてるふつうの主婦です。ネットリテラシーは低めですが、インターネットの海に飛び込んだ十数年前から目の前の扉を1つずつ開けてくれるこの世界が大好きです。ここから、推しのあたたかい世界を届け続けていくのが、私の生涯を懸けた目標です。

長唄『水仙丹前』―

この舞踊が生まれた背景を知りたくて、
其の参. 推しが【日本舞踊】の番組を作りました。~水仙丹前ってなんだ!?①~
にも、色々な事を書かせていただきました。

その後、この文化を生み出した‥
当時の庶民の暮らし、人との関わり方、価値観、
恋や愛、結婚や家族、性に対する意識、性の営みを知り、
この『水仙丹前』という演目に対する見方というか、気持ちが少し変わりました。

 

先ず、この『西川流初舞』の立方(踊り手)で登場した、若衆と遊女は‥
今で言うところの、トップアイドルみたいな存在だったこと。

そして、今のアイドルたちもそうであるように‥
とても厳しい環境の中で、【見に来る人、会いに来てくれる人たち、応援してくれる人たちを夢の世界へと誘う】為、あらゆる知識・教養・芸事・礼儀作法・人としての器・優しさ・品格を磨き続けたプロフェッショナルな人たちであったこと。

ただ、その生い立ちや背負っているものは決して恵まれたものではなく、
むしろ、廓に来るまでは、ろくな教育も受けて来なかった少年少女たち(当時、男色も大流行りで、男性版の廓は陰間茶屋(カゲマジャヤ)と呼ばれていたとか‥)。

彼、彼女らは、時間をかけて、磨いて、磨かれて‥
一流の若衆や遊女に化けていった‥。

何というか‥
様々なことを達観した、精神的に成熟した人たちという印象を受けました。

 

なので、その色恋ごとも、今のように性急でも、短慮でも、めんどくさがりでも、臆病でもない。

もっと、じっくりと‥
その過程を愉しむような、大人の恋だったのではないかと感じました。
(やっぱり、何とも粋。)

 

そして、一般の人たちの恋愛はと言うと‥
結婚は、【生きていく為・生活していく為】という価値観があり、
それこそ【見合い結婚】が主流だったんだそう。

 

なんとなく、江戸時代の一般の男性は‥
見栄っ張りで、エエカッコシイな気質の男が多かった、というのをなんとなく知っていたけど、
それこそ、花嫁の持参金が目当てだったり、稼げる技術や能力目当てだったり‥。
(でも、それが当たり前の価値観だった‥)

 

すごく驚いたのは‥
恋や愛が大切という気質の人たちは、当時【浮気者/艶気者(ウワキモノ)】と呼ばれていたそうで、
それこそ(好きだから、愛しているから)という理由で結婚する人たちは
浮ついた人たち、と、白い目で見られていたそうです🧐

 

そんな風潮だったからこそ、なおさら、
廓で繰り広げられる、駆け引きを愉しむような恋に‥
人は憧れ、夢を見たのかもしれません。。。

 

 

 

振れ振れ 振りこめさ

ふりこめさ

 

お先を揃えてこれはとさ

ありゃんりゃりゃ こりゃんりゃりゃ

 

勇んでさ 進んでさ

行列揃えてぼっ立てろ

 

恋はさまざまあるが中にもさ

わけて恋路は 逢ふ恋 待つ恋 忍ぶ恋

 

我恋は必ず今宵はがってんか

合點 合點  そなたもがってん

我等も合點 合図の手管のみこんだ

えいえいえい やっと手を打ち

 

勇み勇んでくるわ大寄せ

 

 

長唄『水仙丹前』は「蝉丸都尾花(セミマルミヤコオバナ)」という狂言の四番目‥
「門出京人形(カドイデキョウニンギョウ)」の五変化舞踊のうち、「水仙丹前」と「槍踊」をまとめたものと言われています。

今回書いたのは、後半の「槍踊」のパートで、
約15分くらいある舞踊の中で、一層賑やかで、華々しく盛り上がるパートとなります🤗

 

 

前半の「水仙丹前」のパートは、長唄と言っても、ストーリー性があって、
恋しい女(ひと)に会う前の気持ちを紅葉になぞらえた、抒情的な舞が中心となりますが‥

この「槍踊」は、(さぁ‥!いざゆかん!)とばかりに、
4人の立方が、大名行列の先頭の槍持ちが、毛槍を振り振り華々しくお国入りするが如く、
賑やかなパートとなります。

 

 

更に、このシーンが華やかだと感じるのは、
曲のテンポが軽やかになるだけじゃなく、立方がみんな片袖を脱いでいて、
下に着ていた襦袢の色が、黄色や、ミントグリーンで、ぱぁっと艶やかに広がるからだと思いました。
(場面の空気の変化を狙ってる演出だとも‥)

 

もちろん、持っている毛槍も、振る度に‥
パサァ~ッ、パサァ~ッと揺れて、優雅。。

 

 

 

 

 

そして、勢いよく振っていた毛槍を高~く頭上に掲げて一周回ったら‥

 

 

 


曲調がさらに明るく、ポップでコミカルなメロディへと変化します。

(ちょっとクスッと笑ってしまいます(〃艸〃))

 

お先を揃えてこれはとさ~

 

 

 

だけど、立方さんの所作は、優雅で‥
艶っぽい。。

 

 

 

♪ありゃんりゃりゃ~  こりゃんりゃりゃ~


この、歌詞の音の響き‥ユニークだと思いませんか‥?

 

また、聞くところによると、【長唄】は唄い方に決まりはないそうです。
唄い方(歌う人のこと)それぞれがアレンジしたり、趣向を凝らしたりと、個人の個性を最も活かせるジャンルなんだそう。。

 

 

 

♪勇んでさ~ 進んでさ~

 

 

 

 

(うううう~ん♡揃ってる~)

ここは、大勢の若衆が、その情熱のまま、スリルを味わいに‥
勢いよく廓に乗り込んでいこうとする意気込みみたいなものが伝わって来る舞い。

 

行列揃えてぼっ立てろ~

 

 

 

 

「ぼっ立てろ」って歌詞がまたユニーク。

そして、ここは、どうも、私には‥ドヤ顔に見えるんです‥(´艸`*)

 

 

 

 

♪恋はさまざまあるが~中にもさ~

わけ~て~ 恋路は~ 逢ふ恋 待つ恋  忍ぶ恋~

ここは、4人の立方さんが、様々な恋を順々に表現していきます。

 

 

 

 

♪我恋は~ 必ず今宵はがってんか~

 

(今宵こそ!アイツを俺のものにしてやるぜ!)ってとこか

 

それとも、ちょっと弱気な‥
(今宵こそ、想いは叶うのか・・!?)ってとこでしょうか‥

 

 

 

 

合點 合點  そなたもがってん

 

ここの唄もユニーク!
そしてメロディもノリノリ~👘👘

(あと、なぜか、本番組では、「がってん」を旧漢字使ってるんですよね~🧐
まぁ‥カッコいいんですけどね。。😉)

 

 

 

 

我等も合點 合図の手管のみこんだ~


(黒いお着物の若衆、、

ちゃんと(のみこんで)ますね~🤗)

 

 

 


えいえいえい やっと手を打ち

 

ここの(えいえいえい)は、絶対、今で言う‥
(Yea!Yeah!Yeah~!)だと思うのですよっ。

 

そして、(やっと手を打ち👏🏻)で、
このような浮かれた舞になってるのではと‥
(手打ち、ですからね‥)

 

 

 

 

勇み~

 

 

 

 

♪勇んで~

 

 

 

 

くるわ大寄せ~

 

(いよっ!日本一っ!)

 

 

 

 

 

🌼参考文献

📚集英社新書:江戸の恋―「粋」と「艶気」に生きる 著者: 田中 優子

📚和樂』:男性版の遊郭・吉原遊女?江戸時代の陰間茶屋ってどんなところだった?

📚『婦人画報デジタル』:長唄ってこんなにダイナミック!|邦楽の世界へようこそ

 

 

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